怒りに震える

先日、ICがあった。

以前、当院に入院していた方が別の病気で急性期に転院して、その治療後に再入院してきたというケースだ。

ICの途中、ご家族が肩を震わせ、泣き始めた。割と感情の起伏がある方なので私も医師も看護師もその状況を受け止めつつ、落ち着くのを待っていた。

先生が二、三励ましの言葉をかける。

けれど、ご家族の悲しみは止まらない。

よくよく話を伺っていると、主治医であり執刀医の医師から「今回はうまくいかなかった。うまくいかないと思ってなかったけど、手術はうまくいかなかった」と。

うまくいかないと思ってなかった...

 

家族の願いも無視して検査もせず、強行突破で手術をした上に「やっぱできなかったわ」という話。

その後も、命の危機になるような状態があって緊急オペを必要としたけどご家族としては同じ医師に執刀されることへの不安、ためらいがあったようで、「本当に手術しないとダメですか」と聞いたら「やりたくないなら別にやってあげなくていいです。こっちだってやりたくてやってるんじゃない」と言い切ったとか。

 

ご家族の悲しみ以上に私の怒りが沸点すれすれ。

は????

医師は自分が偉いとでも思ってるのか。

家族がどんな思いで患者さんを託していると思ってるのか。

医学部から出直してこい!と本当に怒り心頭。

まあ、私が怒っても仕方ない話で、ご家族とは今、そしてこれからのことを一緒に考えていこうということしかできないけれども。

同じ組織にそうした残念な言葉かけをする医師がいたことに心底遣る瀬無さを覚えた。

 

唯一の救いは、ご家族が信頼している同じ科目の他の医師は、「家族の気持ちを考えてね」とその医師に忠告してくれてたみたいだということ。

完璧な人はいないし、ご家族の気持ちだけ考えてたら治療も治療計画も立たない、進まないということもある。それもわからなくはないけども、改めてMSWとしてどういう対応が求められているのか?ということも考えさせられた。

怒りを覚えた私は、きっとこれは個人的な感情。

で、これはケースに対しては何も新しい何かを生み出さず、むしろ弊害になるかもしれない。

でもこの怒りを覚えたという自分自身の思いもまた、認識しておこう。

大好きな先輩がよく言ってた。

「急性期治療を終えて、あなたは患者さんのご家族にどんな言葉をかける?」

「大事なのは労い」と。

 

大変な決断を、ご家族は一身に背負い、重圧にも苦しめられていたかもしれない。容体の変化に一喜一憂されていたことだろう。

本当に大変な中をよく来てくださったということ、その気持ちをぶつけてくれてありがとう。

って。

私の力不足を感じる日々。医師と私と看護師とでその話を聞いて一つの思いが生まれている。「今後、どんな結論を出すことになるにしても、私たちはご家族としっかり話をしていくし、一緒に考えていく。最後のサインはご家族かもしれないけど、私たちはその一歩前まで寄り添っていくよ」って。

 

最終的にどういう結論になるか、私もまだわからないけどいっぱい考えていっぱい調べてベストを尽くし続けよう。