経管栄養で退院した人の、その後。

今年度は経管栄養で自宅退院をした人が4人いる。そのうちの一人は諸事情によりやむなく一時退院して、今は入院していただいている(元気そうですごくホッとした)。

残り3人は、かなり重い嚥下障害があって、お一人は仮性球麻痺だった。そう多くない症例らしく、STさんでも「あんまり経験がなくて。過去6人くらいしか見てないんです」とおっしゃっていた。やや、というかは仮性球麻痺ど真ん中な方だった。

 

おまけに麻痺のせいもあってか、味覚が著しく変化してしまい、病前に好きだった味を受け入れず、ご家族が差し入れに苦労していた。

経鼻で帰った人もいる。奥様は「もうやだやだ、絶対やだ。口で食べる以外延命でしょ!」と言っていた。

うーん。

本人が経鼻を望んでいて、ご飯食べたくない、これやって!と経管をさしていた。

 

胃ろうなんてもってのほかだし、かといって経鼻を抜いて帰すと水分も取れないわけで(しかも本人は認知もなくコミュニケーションも取れる)お看取りレベルでもないのに、抜いて帰すリスクが高すぎた。

というわけで経鼻で自宅退院したのだけど。

 

その方々のその後。まだ退院して4−5ヶ月くらいの方たちなのだけど、なんとみんな家で「ご飯食べてます」「バクバク好きなもの食べてます」ってすごいことになっていた。

 

こういうとき、しみじみと医療なんて所詮、過去起きたことを焼き直ししているに過ぎないのね。未来を開くのは、本人自身だもんね。

 

と思うし、今いる患者さんが私たちに見せている姿がすべてではないっていう当たり前のことを思い起こさせてくれる。

 

完璧な身体機能も、環境設定もない。

だめだったらこういう方法も、ああいう考えもあるよねという余地をいつものこしておきたいし、今年度、経管栄養で退院した人が軒並み食事をとっているからと言って、これから先、経管で退院する人たちに同じことが言えるかどうかもわからない。

だけど、人にはいろんな可能性があることを忘れずにいたいし、年齢もあんまり関係ないなぁと思う。

 

強いて言うなら、認知機能の低下の有る無しは関係してくるのかもしれないけど。

こういう患者さんのその後、って学ぶことが多い。