MSWのこぼれ話

不定期に更新します

根拠のある情報提供を。

先日、職場の大先輩、と言っても他職種(リハビリ)の方を交えて患者さんの支援プランを一緒に考える機会があった。

患者さんの担当は私を含めて経験年数の浅め(と言っても5年以上くらい)の何名か。

なんだかずっとフワッとしていて、「かもしれない」ということが多くて、根拠を持って先生たちに言えないことが我々の悩みだった。

まずは今、何を課題に感じているか、どう考えているかなどをみんなで話していたのだけど、やっぱりそれは「そんな感じ」というものだった。もちろん、リハビリの方では検査などもとっていて評価しているのだけど、検査結果と実場面と、「でもうまくできそう」「やっていけそう」というものもないまぜで「こういう結果をもとにこうしたい」がぼやけていた。

 

それを静かに聞いていた大先輩が「あのさ、画像はどうかな。脳のスペクトラル画像でどれくらい血流悪いかとか見てみた?」と聞かれ(私には聞かれてないが)、しばし見方や見るときのポイントをお勉強。

 

ふむふむ。

CTやMRIで見ている損傷部位と実際の虚血範囲って意外にも一致しないのね。言われてみればそうか、みたいな気付きと学びの連続だった。

社会制度や社会資源については把握していたけど、相談する際にはこうした根拠で語れるかどうかってとても大きいし、こうやって患者さんの病変と臨床を見られるとよりふんわりせずに考えられるなぁなんて思った。

 

私たちが(MSWが)介護保険の案内や障害者手帳の案内などをするときですらも「根拠」に基づいて行っている。

1年目の最後に出会った先輩が教えてくれたことは「法的根拠を持ってあなたは制度の案内や社会資源の提案をしていますか」ということだった。

MSWとして、誰かに何かを語る以上、根拠があってこその連携であり提案であるのだとその時に思い至った。

その後も制度の解釈や法解釈の中で、悩むことや「これでいいのか」と思うこともあるし、根拠があれば何でもかんでもやればいいってもんでも当然ないんだけど、私の中では理論的に積み重ねていくことを大事にして来たつもりだった。

 

でもそれは、何もMSWに限ったことではなくてリハビリも看護師さんもきっと同じ。

術後○日目の患者さんの反応、痛み、検査結果に基づく対応やプログラムがある。

一般的なものを把握しつつ個別性も見ていく。

そういう繰り返しなんだなってことを話し合いを通じてどんと学ぶことができた。

 

普段、ケースの対応に追われてしまう。その中でぼんやりと過ぎていくものもあって「これでよかったかな」なんて思うものも多い。特に、ずっと回復期にいたゆえに脳外科患者さんの支援をすることが多かったからパターンはわかっているゆえに「リハがそういうのならこうかな〜」なんて「なんとなく」のあたりをつけていることが多かったと反省。

当然、専門が違うから私は入れない範疇でもあるのだけど、お互いに科学的根拠や法的根拠を持ってプロとして患者さんの支援をしていくって当たり前に大事。

 

そんなことに気付かされた。

どこかの講座に参加したわけでもなく、こうして職場で学びの場があってありがたいなと思った夜だった。