MSWのこぼれ話

不定期に更新します

2020-01-01から1年間の記事一覧

あの患者さんのその後。

前回書いた記事。 social-work-tokyo.hatenablog.com この続きで、実は患者さんがかなりシャキッとしてきていろいろと思いを伝えてくれるようになっている。 耳が遠かったり、ADLはやっぱりそこまで上がってはいないけど、リスク管理はできるようになってい…

それは先生が決めないでくれ。

とある医師のICに同席。 なんか、珍しく違うスイッチが入っているなぁと思って聞いていた。普段なら患者さんのカットイン(話の割り込み)にも落ち着いて、優しく対応してくれる。なのになんとなく、イラッとした感じというか、少し呆れているような雰囲気を…

生活保護手帳2020

ずっと頭を悩ませている生活保護制度。私には何度読んでも難しい。法律の言葉ってどうしてこんなに難しいのでしょう。 官僚言葉が理解できなくて要はどういうこと??と思う。何度もぶつかる言葉の壁。 最近調べているのが世帯分離のことなのだけど、世帯の…

MSWになって4年目

すごく昔のことのようだ。MSWになって3ヶ月の頃のことを書いた日が。 あれから3年がまるっとすぎて、4年目を過ごしている。 赤恥だらけの日々だ。 3ヶ月でかく赤恥と、4年目でかく赤恥には大きな溝があって、今は毎日、穴があったらすぐに入りたい。 そう思…

もしもの世界

いつの間にか、経験年数的に回復期の専従加算が取れるようになっていた。MSW3ヶ月目とか言ってた時期が懐かしく、戻らなくていい過去でもある。 でも思い返せば、あの頃いた唯一の良心である脳外科医に(私が勝手に)助けられ、知識をなんとかかんとか習得す…

怒りに震える

先日、ICがあった。 以前、当院に入院していた方が別の病気で急性期に転院して、その治療後に再入院してきたというケースだ。 ICの途中、ご家族が肩を震わせ、泣き始めた。割と感情の起伏がある方なので私も医師も看護師もその状況を受け止めつつ、落ち着く…

本業とあまり関係ないICの話。

医師が患者さんと家族に向けて病状を説明するIC(インフォームド・コンセント)に同席することが多い。多くのMSWがその経験をしていると思う。 そして私はこの時間がすごく好き。 ICのとき、ワーカーは気配を消して息を潜めて(いるような気持ち)で同席して…

他職種からの刺激と学び

先日、急性期で外来担当しているベテランの作業療法士から電話がかかってきた。 以下がその時の話。 「そちらに入院してるMさんなんだけど、Sさん(リハビリスタッフでMさんの担当者)から相談があって少し関わることになりました。 Sさんも多分全容把握でき…

自己覚知を何度でも。

相談者が来た。 介護保険の申請をいつしたら良いか。 親を家に連れて帰れるのか。 経済的にかなり厳しい状況。 などなど、相談は多岐にわたる。 つい、病棟看護師やコメディカル、医師と多くのコミュニケーションをとっていると、「早く介護保険を申請して」…

障害と代償手段とanother life

先日、ばったりBさんの家族とすれ違った。 初冬に退院したばかりの方で、自宅に帰ることができず、他の病院へと転院した方だった。 まだ若くてギリギリ介護保険を取得できたが、お子さんも小さく妻の介護を受けて生活するという選択は取りづらく、ゆくゆくは…

怒りの感情は支援の阻害要因。

まもなく退院するAさんの話。 とにかくわがまま放題で身体機能うんぬんよりも本人の「気持ちの問題」でリハビリが進んでないというのが急性期からの前評判だった。 ご家族も結構なキャラクターで入院初日から「いちいち病院から呼ばれても困るんで。私も仕事…

人を支援するとはなんだろう。

あけましておめでとうございます。 もう昨年になってしまうけど、忘れられない患者さん(Aさん)がいる。 つい最近あった出来事で今も終結していない話なのだけど。 Aさんはある事業を長年しているビジネスマンで、入院当初は経営者然としていて「個室に入れ…